彼に愛されていないなら別れること、愛されているなら迷わないこと。
愛は死よりも強く、死の恐怖より強い。
つまらないことに熱情を感じてよく記憶していること、 これが女の一番の特徴である。 数年前の友達と交わした世間話の中に出てきたこまごましたくだらないことを その気になればいつでも正確に話せるのである。 しかもやりきれないことに、女はいつでもその気になるのである。
「あなたは愛してるって言ってくれたことがないのね」 「そんなこと知ってると思ってた」 「女は、それを聞きたいものなのよ」
幸福がこの上なく大きい場合には微笑と涙が生まれる。
広く好かれれば好かれるほど、深く好かれないものだ。
女の推量は、男の確信よりもずっと確かである。
学問のある人間が大勢集まってあらゆる機械や薬品を考え出したが、 いまだに女性が原因で起こる病気の薬を考え出そうとした学者はいない。
自分の命を愛しても憎んでもいけない。 だが生きている限りは命を大切にするがよい。 長く生きるか短命に終わるかは天に任せるがよい。
愛する人と共に過ごした数時間、数日もしくは数年を経験しない人は、 幸福とはいかなるものであるかを知らない。
貧困は、人生という海の砂州であり、冨は岩壁である。 幸福な人々は、その間をすり抜けて船を操っていく。
自分の全生命を女の愛というカードに賭けた男が、 このカードが殺された時、 がっくりとなって何事も手につかないほど放心してしまうようなら、 そんな人間は――男ではなく、ただのオスである。
金持ちでも貧乏人でも強い者でも弱い者でも、 遊んで暮らしている市民はみんな詐欺師だ。
幸福は遠くの未来にある限り光彩を放つが、つかまえてみると、もうなんでもない。 幸福を追っかけるなどは、言葉のうえ以外には不可能なことである。
男というものはいつでもそうだが、我が家から離れている時が一番陽気なものだ。
自己侮蔑という男子の病気には、 賢い女に愛されるのがもっとも確実な療法である。
金は天下のまわりものだ。いつもこちらをよけてまわるのが気にくわないが。
男は退屈から結婚し、女は好奇心から結婚する。そして双方とも失望する。
正しい結婚の基礎は相互の誤解にある。
女は愛されることを求め、理解されることを求めない。