愛している女は、男から愛されていないのではないかといつも恐れている。 愛していない女は、男から愛されているといつもうぬぼれている。
平凡な人生こそ真の人生だ。 虚飾や特異から遠く離れたとことにのみ真実があるからだ。
人生とは、運命がなみなみと注がれている盃である。
人はつねに初恋にもどる。
結婚とは、ただ一人のために残りの人々をすべて断念せねばならぬ行為である。
青春は、誉められ過ぎる季節である春に似ている。
自分の考えたとおりに生きなければならない。 そうでないと、自分が生きたとおりに考えてしまう。
人は誰しも、一人で生き、一人で死ぬものである。
われわれは現在だけを耐え忍べばよい。 過去にも未来にも苦しむ必要はない。 過去はもう存在しないし、 未来はまだ存在していないのだから。
人は幸福を探し始めると、たちまち幸福を見つけられない運命に陥る。 しかしこれには不思議はない。 幸福とは、あのショーウィンドウの中の品物のように、 好きなものを選んで金を払えば持って帰れるというものではない。
人は、愛もなく妻を持つように、幸福もなく財産を持つ。
人は十五歳の時たくさんいろいろな事を考える。 そして人生の問題を殆ど発見する。 その後は、それに慣れて、だんだんにそれを忘れていく。
「運」ってやつは、たえず変わる。 いま後頭部にがんと一撃くわせたかと思うと、 次の瞬間には砂糖をほおばらせてくれたりする。 問題はただ一つ、へこたれてしまわないことだ。
何故死を恐れるのか? ――人生で最も美しい冒険だから。
幸福であるという義務ほど、私達が低く評価している義務はない。
愚か者は、金を持って死んでいくために、貧乏で暮らす。
生きることは病であり、眠りはその緩和剤、死は根本治療。
人生は一歩一歩、死に向かっている。
死を恐れることは、自分が賢くもないのに賢いと思うことと同じである。
女子は月経に支配され、男子は月給に支配される。