愛している女は、男から愛されていないのではないかといつも恐れている。 愛していない女は、男から愛されているといつもうぬぼれている。
平凡な人生こそ真の人生だ。 虚飾や特異から遠く離れたとことにのみ真実があるからだ。
青春は、誉められ過ぎる季節である春に似ている。
命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる。
人は誰しも、一人で生き、一人で死ぬものである。
人は幸福を探し始めると、たちまち幸福を見つけられない運命に陥る。 しかしこれには不思議はない。 幸福とは、あのショーウィンドウの中の品物のように、 好きなものを選んで金を払えば持って帰れるというものではない。
人は、愛もなく妻を持つように、幸福もなく財産を持つ。
理解し合うためにはお互い似ていなくてはならない。 しかし愛し合うためには少しばかり違っていなくてはならない。
地獄の沙汰も金次第。
冨……一人の人間の手に帰した多数の人間の貯蓄。
恋には二種類ある。 その一つは、人を誰でも見苦しいものにしてみせる"満たされない恋"であり、 他の一つは、人を誰でも白痴にする"満たされた恋"である。
結婚生活に幸福を期待しすぎて、失望しないように気をつけなさい。 ウグイスは春に2、3ヶ月だけは鳴くが、卵をかえしてしまうと、 あとはずっと鳴かないものだ。
死を恐れることは、自分が賢くもないのに賢いと思うことと同じである。
女は男より簡単に泣く。 しかも自分を泣かせたことについて男より長く覚えている。
女は大きな危害は許すが、小さい侮辱は決して忘れない。
男は目で恋をし、女は耳で恋に落ちる。
すべての悲劇というものは死によって終わり、 すべての人生劇は結婚をもって終わる。
単独者として生まれ、群棲者として生活すること。 その矛盾の幅が私達の生の最初の幅である。
人は異郷に生まれてくる。 生きることは故郷を求めることだ。 考えることとは生きることだ。
女性はたとえ自分を愛する男が野獣のようなものであろうと、 愛され崇められれば無関心ではいられないものだ。