短く笑って、長く泣く。それが恋の習いだ。
絶えず警戒しつづけることの必要が、 ついには恋しあう人達を疲労させてしまう。
恋の喜びは一瞬しか続かない。恋の悲しみは一生続く。
女は男より簡単に泣く。 しかも自分を泣かせたことについて男より長く覚えている。
私は暴力に対して一つの武器しか持っていなかった。それは暴力だ。
残念なことに、私達は愛するものと戦わなければならない。 恋においても、母親としても。
孤独はこの世で一番恐ろしい苦しみだ。 どんなに激しい恐怖も、みんながいっしょなら絶えれるが、 孤独は死に等しい。
みずから苦しむか、もしくは他人を苦しませるか。 そのいずれかなしに恋愛というものは存在しない。
孤独は厚い外套である。 しかし、心はその下で凍えている。
死はありとあらゆる悲哀の週末なり。
私の疲れた心よ。生きるということはなんと困難なことだろうか。
人生は山登りのようなものさ。 登っている間は人は頂上を見ている。 そして自分を幸せと感じるが、上に着いたが最後、たちまち下りが見える。 終わりが、死である終わりが、見える。
金を持っている人間は、 貧乏人がそのはかない運命を訴えることを聞くのが大嫌いである。
少しの悲しみもない純粋な幸福なんて、めったにあるものではない。
愛情のない結婚は悲劇だ。 しかしまるっきり愛情のない結婚よりいっそう悪い結婚が一つある。 それは、愛情はあるが片一方にだけ、という場合だ。
一度結婚してしまうと、善良であること以外には何事も、 そう、自殺でさえも残されていない。
墓は、運命の嵐を防ぐ最良の砦である。
人は反感から愛へ向かう。 だが愛することから始めて反感に達する場合には、けっして愛には戻らない。
「さようなら」と私は彼の元を去りながら、 心の中で叫んだ。 そして、絶望がそれにこう付け加えさせた。 「さようなら、永遠に」
金持ちは世界の隅々にまで従兄弟やおばさんをもっている。 貧乏人が持っている親戚は不幸だけだ。