
男どもは結婚を神聖だなどという。 それこそ神をも人をもあざむく台詞というものだ。 そしていつでも、その台詞の迷惑をこうむるのは、 純潔無垢な、理想の女性とでも言うべき乙女なのだ。
体が重いと足跡も深くなる。恋心も強いと傷が深い。

私達は年齢を重ねるにつれて、 時間の価値をいっそう鋭く感じるようになる。 実際、時間以外のものはまるで大したものではないように映じてくる。 そしてこの点で、私達はいよいよ悲惨な人間になってくる。
朝起きる時は「今日も会えないだろう」と思い、 寝る時には「今日も会えなかった」と思うのです。 長い長い毎日に、幸福な時は片時もありません。 全ては物足りなさ、全ては後悔、全ては絶望です。