「手紙は相手を喜ばせるために書くもの」――この言葉が示すのは、人間関係の奥深さと、言葉の持つ恐ろしいまでの力。貴族社会の退廃を背景に、誘惑と策略が織りなす危険なゲームが幕を開けます。愛と憎しみ、真実と偽りが交錯する中で、登場人物たちは互いを操り、破滅へと突き進む。その心理戦は、読む者の心を深くえぐり、人間の本質を問いかけます。甘美で残酷なこの関係の結末を、あなたは見届けられますか?
朝起きる時は「今日も会えないだろう」と思い、 寝る時には「今日も会えなかった」と思うのです。 長い長い毎日に、幸福な時は片時もありません。 全ては物足りなさ、全ては後悔、全ては絶望です。
分かっているでしょうが、 手紙を書くのは相手に書くので自分に書くのじゃありません。 だから自分の考えていることを言うよりは、 なるべく相手を喜ばせることを書くようになさい。
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