他人の悲劇は、常にうんざりするほど月並みである。
戦争は常に人間の最悪の部分を引き出す。 平和な時ならあいつも普通の男だ。
人間は、死、悲惨、無知を癒すことができなかったので、 自己を幸福にするために、それらを敢えて考えないように工夫した。
悪い仲間は犬のようなものだ。 一番好きな相手を一番ひどく汚してしまう。
孤独――訪ねるにはよい場所であるが、 滞在するのには寂しい場所である。
人類はまだ未成年であり、死は一つの未成年者誘拐である。
自ら進んで求めた孤独や他者からの分離は、 人間関係から生ずる苦悩に対してもっとも手近な防衛となるものである。
時が癒やす?時が病気だったらどうするの?
僕は平和が怖い。何よりも怖い。……地獄を隠しているような気がしてね。
スプートニクに乗って、宇宙に飛ばされたライカ犬のことを思えば、 僕の不幸なんてちっぽけなモノだ。
天国はすごくいいところらしい。 だって、行った人が誰一人帰ってこないのだから。
彼が夕食に遅れるときは、 浮気しているか死んで道端に転がっているかのどっちかなのよ。 道端でくたばっているほうがいい、といつも思ったわ。
「今が最悪の状態」と言える間は、 まだ最悪の状態ではない。
大多数の人間は、静かな絶望の生活を送っている。
不幸はこれを語ることによって軽くすることができる。
誰でも死ななくちゃいけない。 でも私はいつも自分は例外だと信じていた。 なのに、なんてこった。
恋愛というものは常に一時の幻影で、必ず亡(ほろ)び、さめるものだ、 ということを知っている大人の心は不幸だ。
墓の下に眠っている人々を羨まなければならないとは、何という情けない時代だろう。
恋は多く人生の苦痛を包むオブラートなり。
過ぎ去りし麗しき日々は、再び我が元に返り来たらず。