広く好かれれば好かれるほど、深く好かれないものだ。
女の推量は、男の確信よりもずっと確かである。
学問のある人間が大勢集まってあらゆる機械や薬品を考え出したが、 いまだに女性が原因で起こる病気の薬を考え出そうとした学者はいない。
金持ちでも貧乏人でも強い者でも弱い者でも、 遊んで暮らしている市民はみんな詐欺師だ。
幸福は遠くの未来にある限り光彩を放つが、つかまえてみると、もうなんでもない。 幸福を追っかけるなどは、言葉のうえ以外には不可能なことである。
男というものはいつでもそうだが、我が家から離れている時が一番陽気なものだ。
男は退屈から結婚し、女は好奇心から結婚する。そして双方とも失望する。
正しい結婚の基礎は相互の誤解にある。
女は愛されることを求め、理解されることを求めない。
一人の女しか愛さない男はしばしばもっとも幸福な生活を送るが 死ぬときはもっとも孤独な死にかたをする。
愛の舞台に上って馬鹿らしい役割を演じるのは、いつでも男だ。
男というものは元来多妻主義だ。 心ある女は、男の気まぐれによる過失をいつも大目に見る。
男は自分の知っているたった一人の女、つまり自分の妻を通して、 女の世界全体をいい加減に判断している。
女は男に欠点があるからこそ愛するのだ。 男に欠点が多ければ女は何もかも許してくれる。 我々の知性さえもだ。
死の恐怖は、解決されない生の矛盾の意識にすぎない。
現代の女性は、あらゆることを理解する。 ただ、自分の亭主のことだけは理解しない。
結婚するのは、二人とも他に身の振り方がないからである。
死ぬなら楽に死ぬ。 苦しむなら治る。 どっちかにしてもらいたい。 苦しんだ上に死ぬなんて理屈に合わぬ。
真の幸福は孤独なくしてはありえない。 堕天使が神を裏切ったのは、天使たちの知らない孤独を望んだために違いない。
孤独が怖ければ結婚するな。