恋の病を癒す薬はいくつもある。しかしそれに間違いなく効く薬というものはない。
他人のために暮らすのはもうたくさんだ。 せめてこのわずかな余生をみずからのために生きようではないか。
真実のない生というのはあり得ない。 真実とはたぶん、生そのもののことだろう。
「時」の歩みは三重である。 未来はためらいつつ近づき、 現在は矢のように速く飛び去り、 過去は永久に静かに立っている。
流れ進むのはわれわれであって、時ではない。
自分の人生を肩代わりしてくれる人なんかいないから、 懸命に自分でその辛い状況を乗り越えようとする。 それを繰り返す事が、その人の人生を間違いなく豊かにしている。
酒を飲め。こう悲しみの多い人生は眠るか酔うかしてすごしたほうがよかろう。
人生は退屈すれば長く、充実すれば短い。
女はみんな結婚するほうがいい、 男は一人も結婚しない方がいい。
生きるべきか死ぬべきか。それが疑問だ。
我々は矛盾だけで生きている。 そして矛盾ゆえに人生は悲劇であり、勝利も勝利の望みもない永久の闘争である。 人生は矛盾なのである。
金は借りてもならず、貸してもならない。 貸せば金を失うし、友も失う。 借りれば倹約が馬鹿らしくなる。
まことに人生はままならなもので、 生きている人間は多かれ少なかれ喜劇的である。
我々の人生は我々の後にも前にも、側にもなく、我々の中にある。
真理は瀕死の人の唇からもれる。
人間にとって大切なのは、 この世に何年生きているかということではない。 この世でどれだけの価値のあることをするかである。
今この瞬間にあなたが無常の喜びを感じていないとしたら、 理由は一つしかない。 自分が持っていないもののことを考えているからだ。 喜びを感じられるものは、全てあなたの手の中にあるというのに。
結婚は顔を赤くするほど嬉しいものでもなければ、恥ずかしいものでもないよ。
「真相」は分からない。 それを無理に追うよりも、曖昧さの薄闇の中に、物事をおぼろなままで放置せよ。 そこにあるおぼろな形が人生なのだ。
恋愛は人情の永久的な音楽であり、青年には希望を、老年には後光を与える。