もっとも驚くべき記憶力は恋する女の記憶力である。
現実よりも記憶の中の女のほうが美しい。
恋は炎であると同時に光でなければならない。
体が重いと足跡も深くなる。恋心も強いと傷が深い。
恋の悩みほど甘いものはなく、恋の嘆きほど楽しいものはなく、 恋の苦しみほど嬉しいものはなく、恋に苦しむほど幸福なことはない。
彼に愛されていないなら別れること、愛されているなら迷わないこと。
愛は死よりも強く、死の恐怖より強い。
「あなたは愛してるって言ってくれたことがないのね」 「そんなこと知ってると思ってた」 「女は、それを聞きたいものなのよ」
広く好かれれば好かれるほど、深く好かれないものだ。
愛する人と共に過ごした数時間、数日もしくは数年を経験しない人は、 幸福とはいかなるものであるかを知らない。
自己侮蔑という男子の病気には、 賢い女に愛されるのがもっとも確実な療法である。
男は退屈から結婚し、女は好奇心から結婚する。そして双方とも失望する。
正しい結婚の基礎は相互の誤解にある。
女は愛されることを求め、理解されることを求めない。
一人の女しか愛さない男はしばしばもっとも幸福な生活を送るが 死ぬときはもっとも孤独な死にかたをする。
男が本当に好きなものは二つ。危険と遊びである。 そしてまた、男は女を愛するが、それは遊びのなかで最も危険なものであるからだ。
男はある女の愛人でありうるときには、その女の友人である事はない。
愛の舞台に上って馬鹿らしい役割を演じるのは、いつでも男だ。
男というものは元来多妻主義だ。 心ある女は、男の気まぐれによる過失をいつも大目に見る。
女は男に欠点があるからこそ愛するのだ。 男に欠点が多ければ女は何もかも許してくれる。 我々の知性さえもだ。