恋は単純で原始的な行為である。それは闘争である。 それは憎しみである。恋には暴力が必要である。 相互の同意による恋愛は退屈な労役にすぎない。
はたして人は、不徳なくして徳を、 憎しみなくして愛を、醜なくして美を考えることができるだろうか? 実に悪と悩みのおかげで地球は住むにたえ、人生は生きるに値するのである。
人生の真実は、美味で、恐ろしく、魅力的で、奇怪、甘くて、苦い。 そしてそれがすべてである。
もし私が神だったら、 私は青春を人生の終わりにおいただろう。
人生の真実を、美味で恐ろしく、甘く苦いものと見抜いたアナトール・フランス。彼は、悪や苦悩こそが地球を住みやすくし、人生を生きるに値するものにすると喝破しました。青春を人生の終わりに置くべきだと語り、恋を、甘美な幻想ではなく本能的な闘争と見抜くその言葉は、常識的な幸福論を揺さぶり、人間存在の深淵を容赦なく照らします。彼の紡ぐ言葉は、あなたの世界観を根底から揺さぶる、抗いがたい魅力に満ちています。