
ミシェル・ド・モンテーニュ
人が常に現状に不満を抱き、ないものを求める心理。
この言葉がなぜ私たちの心に響くのか。それは、誰もが一度は経験する「隣の芝生は青い」という気持ちを、あまりにも的確に表しているからでしょう。 カゴの外の鳥は、カゴの中の安定した餌を求め、中へ入りたがる。一方、カゴの中の鳥は、外の広大な空を夢見て、自由を求めて飛び出したがる。これは、人間が常に「持っていないもの」に魅力を感じ、手に入れた途端に「別の何か」を求めてしまう、そんな普遍的な心の動きを描いています。 モンテーニュは、結婚という具体的な例を通して、人がどんな状況にあっても、完璧な満足を得ることは難しいという人間の本質を優しく教えてくれています。私たちは、常に「今ここではないどこか」を夢見てしまう生き物。この言葉は、そんな私たちの心の奥底にある、満たされない欲求や、自由と安定の間で揺れ動く葛藤を、そっと見つめ直すきっかけを与えてくれるのです。
もしあなたが今、何かを手に入れたいと強く願っているのに、なかなか叶わないと感じている時。あるいは、念願のものを手に入れたはずなのに、なぜか心が満たされず、また別の何かを求めている自分に気づいた時。 この言葉を思い出してみてください。それは、あなたが特別なのではなく、誰もが抱える自然な心の動きなのだと教えてくれます。 「隣の芝生は青い」と感じるのは、人間の性。だからこそ、今あるものに目を向け、小さな幸せを見つける練習をしてみるのも良いかもしれません。 また、何かを選ぶ際に迷った時、「どちらを選んでも、きっと違う何かを求めるだろう」と、少し肩の力を抜いて考えるヒントにもなります。完璧な選択はないと知ることで、心が少し楽になるはずです。
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