
王陽明
外の敵より、内なる心の葛藤を乗り越えることの難しさ。
この言葉が私たちの心に響くのは、誰もが「自分との戦い」を経験しているからでしょう。 目の前の問題や、誰かとの衝突といった「外の敵」は、はっきりと見え、どう対処すべきか考えやすいものです。 しかし、私たちの心の中に潜む「怠けたい気持ち」「不安」「過去の経験からくる思い込み」といった「内なる敵」は、なかなか手ごわいもの。 これらは目に見えないからこそ、気づきにくく、向き合うのが難しいのです。 王陽明は、こうした心の奥底にある「賊」を乗り越えることこそが、真の成長につながると教えてくれています。 自分自身の心と向き合い、それを乗り越えることの尊さを、この言葉は静かに語りかけているのです。
もしあなたが何か新しいことに挑戦しようとして、なかなか一歩が踏み出せない時。 あるいは、目標に向かって頑張っているのに、つい怠けてしまったり、自信をなくしてしまったりする時。 そんな時に、この言葉をそっと思い出してみてください。 「ああ、これは『心の中の賊』がささやいているんだな」と気づくだけで、少し気持ちが楽になるかもしれません。 大切なのは、その「賊」を無理に打ち負かそうとすることではなく、まずは「そこにいる」と認めてあげること。 そして、「じゃあ、どうすれば一歩進めるかな?」と、自分に優しく問いかけてみることです。 この言葉は、あなたの内なる声に耳を傾け、そっと背中を押してくれる、そんなお守りのような存在になるでしょう。
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